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第11回香川レインボー映画祭の実施報告

おかげさまでたくさんの方に参加していただき、楽しい雰囲気の中で開催することができました。

実施報告ならびに会計報告

■日時:2015年10月18日(日)13:00~19:00
■場所:情報通信交流館e-とぴあ・かがわ
■鑑賞人数合計:153人
Aプログラム「追憶と、踊りながら」:44人
Bプログラム 短編集「ある家族の肖像」「娘さんを僕にください」「leave us alone」ゲストトーク有り:74人
Cプログラム「ソウルフラワートレイン」ゲストトーク有り:35人
このほかにも展示や物販ブースのあるサロンに交流しに来てくれた方がたくさんいました。
また、トイレのマークの投票にも皆さん熱心に取り組んでくださっていました。
■当日運営スタッフ人数:17人
例年より少ないスタッフ人数でしたが、新しいことにもチャレンジして、みんなで頑張りました。あなたも一緒にやりませんか!
■会計報告:
(単位:円)
<前年からの繰越金> 52,300

<収入の部>
チケットの収入 158,300
活動負担金 3,000
補助金、助成金 0
寄付金・協賛金 141,138
物品販売 10,700
出店参加料 1,000
広告料 0
預金利息 14
その他収入 55
収入合計 314,207

<支出の部>
出演者謝金 0
出演者旅費 10,000
広報宣伝費 12,000
チラシ制作費 21,547
消耗品費 9,345
通信運搬費 27,319
会場使用料 75,160
上映作品借入料 130,600
仕入れ代金 4,480
支出合計 290,451

<次年繰越金> 76,056

皆様の寄付のおかげもありまして黒字でした。ありがとうございました!第12回映画祭に向けて引き続き応援をよろしくお願いします。

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「ソウル・フラワー・トレイン」脚本の上原三由樹さんが来場決定!

17:00~19:20 Cプログラム:「ソウル・フラワー・トレイン
上映後に監督・⻄尾孔志さん(大阪からスカイプで参加)と脚本・上原三由樹さんのトークを行います。皆様、お楽しみに!!

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  • プロフィール

上原三由樹

1978年 静岡県出身

 

  • 監督作品

『ひょうたんから粉』

福井映画祭入賞(2010)清水映画祭監督賞受賞(2010)

『初キス』(2011)

映画太郎参加作品

『口腔盗聴器』

韓国 プチョン国際ファンタスティック映画祭 招待(2013)  “must see”選出

福井映画祭審査員特別賞受賞(2012)、あいち国際女性映画祭入賞(2012)

『雑音』

Skip City国際Dシネマ映画祭 入賞 (2013)

 

  • 脚本参加作品

『ソウル・フラワー・トレイン』(2013)監督 西尾孔志

『ねこにみかん』(2014)監督 戸田彬弘 シネマート新宿他全国上映

『逢瀬』(2013)監督 金子雅和 うえだ城下町映画祭で大賞を受賞

『砂山』(2013)監督 松蔭浩之 現代美術家 会田誠主演

『父帰る』(2015)監督 東京藝大佐藤ゼミ 2016年公開予定

『真白の恋』(2015) 監督 坂本欣弘 2015年冬公開予定 ※脚本協力掲載予定

 

「追憶と、踊りながら」レビューby石井良美

冒頭、李香蘭の唄う「夜来香」が流れる。シックで趣味の良い壁紙と部屋がなぞるように映し出されただけで私は心をつかまれてしまった。
なんという映像センスの良さ。
故郷カンボジアを離れ今はロンドンの老人ホームに暮らすジュン(チェン・ペイペイ)はイギリスの文化になじめずいまだ英語が出来ない。
時折訪ねてくる、美しく成長した一人息子のカイ(アンドリュー・レオン)に「私をこんなとこに閉じ込めて!」と不満をぶつけるが、
彼はいつも優しく受け止める。
今日は「明日のディナーに来て」と何か言いたげな様子だ。
ジュンのもとにリチャード(ベン・ウィショー)が訪ねてき交流を持とうとするがジュンは一向に解さない。実は彼はカイの恋人だったのだ。
カイは母にカミングアウトしないまま云っていってしまった。リチャードを恋人と紹介するはずだったディナーは実現することはなかった。
ジュンは介護ホームで出会ったイギリス人男性アランとの恋で息子を失った悲しみを埋め合わせて行くのかと思いきや、
言葉がまったく通じない二人の恋は思わぬ展開を見せる。リチャードが二人の恋を応援するかのように、
介護ホームに通訳の中国人女性ヴァンを連れて来たのだが、かえって言葉が通じなかった頃のほうが二人の関係がうまく行っていた。
言葉はコミュニケーションにとって重要だけど、時には厄介もの。実は言葉の通じないところで心が繋がることもあるのだ。
ネタバレになるので最後まで書かないが、心を開かないジュンとあることがきっかけで2人の心は打ち解ける。
それは「言葉」ではないんだよね。画面の2人と一緒に泣いてしまった。
この映画のもうひとつの見どころはリチャードとカイの恋だ。明るい日差しの中、真っ白い部屋での2人のラブシーンが美しかった。
とても自然で優しいシーンだった。
澄んだ冷たいロンドンの空気の中で、大量の言葉をタペストリーのように紡いでいくような映画。
初長編作品とは思えないような落ち着いた作風。
私は最初、繊細な作風とお名前からてっきり女性監督だと思い込んでいた。
ちなみにホン・カウ監督も主役のベン・ウィショーもオープンリー・ゲイである。
やっぱり!監督、そうだったのね。
(石井良美)